<2018年7月のひとりごと>

2020年東京五輪のマラソン代表選考会「グランドチャンピョンシップ」の日程が来年9月15日に決った。複数回のレース経験と一発勝負の要素が採用された新たな方式だ。今までの選考には不透明感が存在した。2003年、私は実業団の監督時代アテネ五輪の予選会レースのひとつに指定されていた東京国際マラソンに選手を一般参加で出場させた。実績が無かった選手であったが、練習の過程から2°07′台が出ても不思議でない状態に仕上がっていて、密かに優勝を狙っての出場だった。30kを過ぎた地点から猛然とスパートして独走となり、監督室でテレビを見ていた私の周りは騒然となった。しかし、私は優勝を狙った勇気ある走りを冷静にみていた。逃げ切れると思ったが40k地点で日本のヤクルトチームに所属している外人にゴール直前で抜かれて2位でゴールした。 ゴールタイムは2°08′38″、しかも日本人トップである。選手本人も私もこれでアテネ五輪の代表権を手にしたと確信して、選考結果を待ったが朗報は届かなかった。選考に大きな力を持つ当時の陸連専務理事が信じられないコメントを発した「マラソンは最後のスパート力が大切、40k以降の2.195kmのタイムを選考基準にする」、、そんな馬鹿な。
4年後の北京五輪で屈辱を果たすことになるが、私は今でもあの当時の実力は日本で一番だったと選手の事を評している。その時期にひのき舞台に立たせてあげることが出来なかったことをいまだに悔やんでいる。

あれから15年。もう五輪に縁はないが、それぞれ夢を持って練習に励む選手に囲まれ幸せな時間を過ごしている。大阪国際女子マラソン、福岡国際マラソン、びわこ毎日マラソン、そして各年齢に合ったそれぞれの目標、その過程を選手と共有できる喜びは、五輪を目指して熱くなっていた頃のときめきと同じものを感じている。ひらめいて、ときめいて、きらめく。この感性を大切にして生きていきたいと思っている。

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